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土星回帰

《土星回帰》
映像(5分24秒)
エディションボックス(引き出し,ディスク,サーティフィケート,山羊座ペンデュラム,サターンドッグ,)
於|「EDITION BOX -VIDEO WORKS as MATERIAL」HIGURE 17-15 cas
協力|UEDA KEN, NEZUMI
烏{2020年になると、自転車に乗って四角で停止をする時などによく長瀬智也さんの顔がメランカオリの頭をよぎるようになったのだった。この頃、メランカオリは、「土星回帰」(土星が出生時にあった位置にかえってくること。人生に於いて試練や大きな決断を伴う)を迎えていた。メランKはなぜこの映像作品を作ったのかわかっていないが、そんなサターンリターンの折に長瀬智也さんを共同体から呼び出すための映像作品を作ったのは自然なことだったかもしれない。歌はメランKがよく口ずさむ山口百恵『夜へ…』とJane Birkin『ジェーンB.~ 私という女』のトラックに合わせて長瀬智也さんを共同体から呼び出す文句や土星の山羊座への移動を歓迎する言葉を教え子UEDA氏が歌ったものだったが、そのリズムに合わせて、メランKがデータフォルダの画像を観測している様子が流れる。展示中は以上の経緯や作品の説明は一切されなかった。映像の販売や保管ついてをテーマにした展覧会であったが、メランKは「この作品は星によって決まった人に届く」と話し心で長瀬さんに届くことを待っているだけだった。奇しくも会期中に長瀬さんが事務所を退社されるという噂を聞いた。その後、土星が逆行するタイミングになってこれらの情報は明かされた。

以下は、展覧会に向けて制作の途中でメランカオリが書いた文章。

さて、その展覧会に出す予定の作品で私は占いをしているはずです。星をみているはずです。
星をみるとき、私は空の方を滅多に向きません。そのかわりに何度か瞬きをしてそれがなんらかの幻覚であることを祈ったりします。(そして大抵の場合その祈りは通用しない)
はじめて星をみたのは、放課後に当番で教室を掃除しているときでした。私は、学校で過ごす放課後が退屈で大嫌いでしたので(放課後は実家の前の通りで遊ぶのが大好きだった)掃除当番はつまらなかった。だけど、逃亡することや気晴らしをするわけでもなかったので、それはそれでよしとしていたのだと思います。
私はその日、特別教室の箒がけの当番に当たっていた。しばららくのあいだ、床と箒をずっと見ていたが、ふとした合図で集中が途切れると視界に微晶がちらついた。
それから定期的に微晶がちらつくことがあり、私はそういったことを人に話すかわりに、自分のためだけに何の役に立つかわからない情報を記録していき、18年ほど経って、その作業は断片的に占いとして結実していった。
占いをするとなにもかいてないはずのところにしるしを見つけてしまうことがある。なにもかいてないのかそれとも奇跡的に均一なしるしがそこに逗まっているのかは見分けがつかない。なにもないところに何かをみることは、なにかが誕生する奇跡の瞬間でもあるし、一方ですでにそこにあったこの上ない奇跡を引っ掻いてしまった場合でもある。そういった存在の満ち欠けについての観察を2月は行うはずです。【2020年1月26日・Facebook】

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